こんにちは、すだおです。
製品やサービスの品質を継続的に改善していくための、「運用」つまりPDCAのDの部分について解説します。
このように悩んでいる方や勉強中の方に向けて、【ISO9001 8:運用】の内容を元に後半を簡単に解説します。
外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理
外部提供者から提供してもらうプロセス、商品やサービスを管理しなければいけません。
この管理が出来なければ、間違いなく注文通りの製品を仕入れることが出来ません。
- 関連会社
- 供給者
- 組織がプロセスを外部委託した相手 等
間違いなく注文通りのものを手に入れるように、購買に関する手続きを決め実行する必要があります。
また、次に該当する場合、注文通りか確認(検査等)しなければいけません。
- 提供されたものが、自社の商品やサービスに組み込まれるとき
- 提供されたものが直接顧客に提供されるとき
- 仕事の一部が外注されるとき
組織は、注文通りの商品を提供できるか、取引先を評価、選択、パフォーマンスの監視、再評価する基準を決めて実施しなければいけません。
また、この活動の内容を記録し管理しなくてはいけません。
基準を決めて注文通りか確認しよう!
管理の方式及び程度
商品やサービスが要求事項を満たしているのか信じれるように、外部提供者の管理を確立しなくてはいけません。
そのために次のことを行ってください。
- 外部から提供されるプロセスについても自分たちの品質マネジメントシステムの中で管理する
- 外部提供者の管理方法と管理レベル、購入品の管理方法と管理レベルそれぞれを決める
- 次の2つを考慮する
- 購買品が与える被害影響度
- 外部提供者の事業活動が狙い通りに出来ているか
- 外部から提供されるプロセス、商品やサービスが要求事項を満たすことを確認するために必要な検証や他の活動を明確にする
(受入検査、立ち入り検査、ISOの要求、懇談会などを実施)
このように、外部提供者の管理も徹底してください。
外部だったとしても、相手任せじゃなく
管理を徹底するってことだよ!
外部提供者に対する情報
注文内容や管理方式を外部提供者に明確に伝達することが大切です。
伝えることで、組織の業務や顧客満足への悪影響を防ぐ事が出来ます。
購買を行うとき、商品に求める内容を伝えるとき(契約書や品質協定書にて)次の内容を入れましょう。
- 商品やサービスの仕様
- 商品やサービス、方法、やり方、仕事の流れ、設備、納期の指定
- 人の力量、力量評価方法(資格など)
- 自社の品質マネジメントシステムとの協調
- 外部提供者への管理の方式
- 外部提供者への立ち入り検証
要求を外部提供者に伝える前に
必ず内容に問題ないか確認しよう!
製造及びサービス提供
製造やサービスを顧客に提供するまでのでなく、提供後も顧客や法令・規制の要求事項に応えれるように、管理しなくてはいけません。
製造及びサービス提供の管理
不具合品を減らしたり、目標達成することを確実にするため、製造やサービスに関する管理をしなければいけません。
管理された状態とは次に項目の中で該当するものを必ず満たしていることが条件となります。
- 必要な情報が利用できる状態にする
- 商品やサービスの内容について必要とされる情報
- 製品仕様
- 契約内容(お客様との約束事)
- 取り扱いの注意点 等
- 作業手順、作業実施後の結果
- 商品やサービスの内容について必要とされる情報
- 監視や測定、検査を正しく行うために必要な装置を定め、使用する
- 商品やサービスの合否判定基準や稼働条件を定めて、満たしているか監視、測定する
※基準は明確にすること:◯や✕ではダメ - 用途に応じたインフラストラクチャや環境が何なのか明確にし、使用している
- 必要とされる力量を持った人材を任命する
- ヒューマンエラーの防止処置を行う
- 次のプロセスへの移行やお客様への納入の方法、その後実施するサービスを決め実施する
- 特殊工程の管理
工程終了後に検査できない場合に、作り方に問題がないことを予め証明し管理することをいいます。
どのような条件で作ると、どのような特性を得ることができるか、抜き取り検査などから、統計的に母集団を把握し、条件が守られていることと、その結果が把握されているか監視することです。
- 壊さないと検査できないもの
- 使用しないと結果がわからないもの
- コスト的に検査できないもの
しっかり管理して不具合品を減らし目標達成!
識別及びトレーサビリティ
製造した商品やサービスが要求事項を満たすため、必要に応じて識別やトレーサビリティを行う必要があります。
識別とは
識別とは見分けをつけるという意味です。
識別には次のような種類があります。
- 製品の種類
製造中に問わず、商品を取り違える恐れがある場合は、適当な方法で見分けをつける。
名称、グレード、ロット番号等がある。製品そのものに表示するだけでなく、保管場所での区別など種類の見分け方は商品やサービスに合わせて行うと良い。
また、これらは、完成品だけでなく製造途中のものにも実施する。 - 合格品と不合格品
間違った使用や出荷を防ぐため、検査したものは、「合格品」「不合格品」に見分けをつける。
こちらも、製品に表示するだけでなく、保管場所を区分するなど商品やサービスに合わせて行うと良い - 検査の状況
「検査前」、「検査中」、「検査後」の状態もわかるように見分けをつける
こちらも、製品に表示するだけでなく、保管場所を区分するなど商品やサービスに合わせて行うと良い
製造段階から混ざらないように見分けをつけてよう!
トレーサビリティとは
トレーサビリティとは、個々の製品について、製造過程を後に調査できる状態にすることをいいます。
- 製造日
- 部品や資材の使用量
- ロット番号
- 検査結果
- 作業者
- 使用設備 等
要求事項(顧客や法令、自社基準)にトレーサビリティが含まれる場合定める必要があります。
組織は、要求事項を満たすために、識別情報等トレーサビリティを可能にする情報を文書化し保持しなければいけません。
後で見返せる環境づくりだね
顧客又は外部提供者の所有物
当たり前のことですが、組織は外部から預かっているものが、自分の管理下にある間や使用している間は、細心の注意を払う必要があります。
- 部品や資材、原料などの部品の一部
- 修理品
- 工具や機械など製造や検査に使うもの
- 技術情報、個人情報などの関係者以外に知られてはいけない情報 等
外部から預かったものに対しては、次のことを実施してください
- 識別
間違った使用、紛失等を防ぐために、他と見分けが付くようにする - 検証
受け取り確認、受入検査を実施し、必要であれば、使用中や保管中も確認を実施する - 保護・防護
劣化・損傷・紛失を防ぐ事ができるように保管や取り扱いに注意する
情報に関しても漏洩等を防ぐ必要がある
基本的にはあまり発生しませんが、次のような異常が発生した際、所有者への報告し記録する必要があります。
- 預かったものを破損させたり、紛失した場合
- 預かったものが狙い通り使えなかった場合
自分の管理下にある間や使用している間は
細心の注意を払わないと^^;
保存
組織は、要求事項を満たせるように、商品やサービスを管理しなくてはいけません。
この管理は、製造やサービス提供を行う間、すべての過程で行う必要があり、原料や資材などの完成品以外の物も含まれます。
管理の際は、次の内容を考慮して実行してください。
- 識別
間違い防止や在庫管理のための識別 - 取り扱い
破損や劣化、汚染を防ぐための方法 - 包装
原料や資材の段階から輸送完了までの破損や劣化を防ぐ方法 - 保管
場所や方法、在庫管理の方法 - 保護
破損や劣化が発生しないように対策する
これらを考慮して、管理(保存、維持)してね。
引き渡し後の活動
引き渡しが完了したので責任ありません。ではなく、引き渡し後も、要求事項を満たし続ける必要があります。
どの程度まで、活動するかは次の内容を考慮して決めてください。
- 法令や規制
- 商品やサービスに関連する災害(怪我、火災など)
- 商品やサービスの性質(使い方や、期間)
- お客様の要求事項
- クレームなどのフィードバック
引き渡し後の活動には、保証書の免責事項、メンテナンスサービスだけでなくリサイクルや廃棄処理なども含まれます。
売ったから終わりじゃ無いんだよ
変更の管理
不具合の殆どは、変化点で発生します。製造やサービスの提供の過程で発生した変化点は必ず確認し、管理を行いましょう。
想定外の理由で、製造やサービスの方法を変更する必要が出たとき、その変更にて、起こるリスクなどの事柄を考えて、要求事項を満たすか確認し直し、矛盾が発生しないようにする必要があります。
このとき、誰が承認したかやいつから変わったのか、どういう処置を取って要求事項を満たすことが出来ているか等がわかるように記録し保持しましょう。
何かしら変化があれば初物検査、管理を実施しよう!
製品及びサービスのリリース
要求事項からの不適合品の流出を防ぐため、お客様に引き渡す前に、商品やサービスが適切か確認しなければいけません。
そのために、検査を実施し品質を確かめます。検査のタイミングや実施方法は計画した通りであること。
基本的に、計画したことが問題なく完了しない場合はリリース出来ませんが、権限をもつ者や顧客が承認した場合に限り、リリースしても良いが、責任がなくなるわけでは無い
また、次の内容は必ず、記録し保持してください。
- 合否を判断した証拠
- リリースを正式に許可した人が誰なのか
必ず、商品やサービスが適切か確認してからリリースしよう!
不適合なアウトプットの管理
不適合品が誤って使用されたり、引き渡されないように、識別して管理しなくてはいけません。
そして、不適合品に対しては性質や影響に合わせて、処置を行う必要があります。
※これは、引き渡してしまった商品やサービスに対しても適用される
不適合品に対しては、次の中から一つ以上の処置を行ってください。
- 適合するように修正するもしくは捨てる
- 良品と区別、拡大防止(出荷停止)、回収(リコール)
- 顧客に知らせる
- 特別採用の許可をもらう(特に処理せずに売り続けるが、それ相応のリスクが伴う)
修正した場合は、必ず再検査を実施する。
同時に、きちんと処置したことが証明できる次のような記録を保持しなくてはいけません。
- 不適合の内容
- 取った処置方法
- 特別採用の取得内容
- 処置について決定する権限を持った人が誰なのか
不適合品に対しても管理する必要があるよ!
まとめ
製品やサービスの品質を継続的に改善していくための、「運用」の「外部から提供される製品及びサービスの管理」から解説しました。
大まかに言うと製造からリリースまで様々な工程があり、各工程きちんと管理しなければいけませんよということをまとめています。
私としてはこの記事を読んで、組織に属している人たちがそれぞれの工程すべてが繋がっていること理解し、主体的にインプットとアウトプットを実行しなければいけないと言うことを理解していただければと思います。(プロセスアプローチを理解して欲しい)
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